コロナ禍の新しい生活様式では、マスクの着用が当たり前になってきています。
そんな中、「感覚過敏」のために、マスクを着用することが苦痛な方がいらっしゃるのを知っていますか?
今回は、より多くの方に知ってもらえるように、「感覚過敏」についてお伝えします。
・感覚過敏って?
感覚と一言でいっても、「視覚」「聴覚」「味覚」「嗅覚」「触覚」など様々な感覚があります。
これらの感覚がとても敏感になっている状態を「感覚過敏」といいます。
発達障害やうつ病、脳卒中やてんかんなど脳の病気が原因として考えられていますが、原因不明のこともあるそうです。
・どのように感じるの?
では、実際にそれぞれの感覚過敏で、どのように感じるのか一例をご紹介します。
①触覚過敏
触覚がとても敏感な「触覚過敏」。
この場合、"マスクの着用が苦痛"と感じることがあるそうです。
さらに、"雨や風があたると不快"、"人に触られることが苦手"など。
②視覚過敏
視覚がとても敏感な「視覚過敏」。
強い光や色などが苦手な場合があるそうです。
例えば、"屋外に出ると頭が痛い"、"LEDの光が刺さるような感覚"など。
③聴覚過敏
聴覚がとても過敏な「聴覚過敏」。
日常生活で当たり前にある音が苦手な場合があるそうです。
例えば、"時計の秒針が絶えず聞こえる"、"赤ちゃんの泣き声が頭の中に刺さる感じ"など。
④嗅覚過敏
嗅覚がとても過敏な「嗅覚過敏」。
臭気ばかりでなく、良い香りも苦手な場合があるそうです。
例えば、"食べ物のニオイで頭痛がする"、"芳香剤の香りに苦痛を感じる"など。
⑤味覚過敏
味覚がとても過敏な「味覚過敏」。
口に入れるものに関して過敏なので、味だけでなく食感も過敏になるそうです。
例えば、"砂やゴムなど、食べ物ではないものを食べている感覚になる"など。
・マスクがつらい...
マスクの着用が当たり前に...そんな中、マスクを付けてない人を見かけると「みんなマスクしてるのに、なんでしてないの?」と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実際に、発達障害が原因で感覚過敏のお子さんをもつママは、
「マスク着用を言い聞かせると、嫌がったりパニックになることも...。外出しても、周りから冷たい目で見られたり、テーマパークなどマスク着用が当たり前の場所には連れて行けないのが辛い状況です。」
と、コロナ禍での辛い心境を語ってくれました。
・感覚過敏研究所の取り組み
そんな中、五感の敏感さがあることで、日常生活において困りごとがある方々が暮らしやすくなることを目的に設立された感覚過敏研究所。
マスク着用が難しい方に向けても、様々な取り組みをされています。
ここで少しだけ、取り組み内容をご紹介します。
●「マスクがつけられませんカード」
マスクやフェイスシールドを付けられない人向けの意思表示カードです。
このカードを身につけることで、マスクが付けられない理由を可視化し伝えることができます。
・感覚過敏のこと、知っていて欲しい
「大人子ども問わず、マスクをしていないという見た目だけで悪いことと判断しないでほしい」
感覚過敏のお子さんをもつママからのメッセージです。
感覚過敏は目に見えないがゆえに、理解されづらいこともあります。
もし、マスクを着けていない人を見たら、"何か理由があるのかも"と考えてみてください。
感覚過敏であっても、そうでなくても、人それぞれ感覚は異なります。一度、お子さんと一緒に感覚過敏について話し合ってみてくださいね。
【出典】
●感覚過敏研究所
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