【食農連携プロジェクト】農家さん紹介

 食農連携プロジェクト(LFP)の岐阜県パートナーは、下記の企業・団体の皆様と進めております。

◆岐阜県LFPパートナー

阿部農園(恵那市)、石川農園(恵那市)、寺田農園(高山市)、秋田屋本店(岐阜市)、まんま農場(高山市、)恵那川上屋(恵那市)、バローHD(多治見市)、十六銀行(岐阜市)、OKB総研(大垣市)、岐阜アグリチャレンジ支援センター(岐阜市)、岐阜県食品科学研究所(岐阜市)、日本食農連携機構(東京都千代田区)、食農夢創(神奈川県横浜市)


~本プロジェクトと農家さんとの出会い~

◆このプロジェクトに取り組むきっかけ

一昨年に携わった岐阜市内のカフェプロデュース事業をメディアに取り上げて頂いたことがきっかけで、株式会社恵那川上屋の鎌田社長や(一社)日本食農連携機構の皆様にお会いし、LFPの取り組みを初めてお聞きしました。

また、「令和2年度ぎふ食農連携塾」に参加させていただき、そこで今回LFPパートナーでもある、阿部農園の阿部真奈美さん、石川トマト農園の石川右木子さん、株式会社寺田農園の寺田真由美さんと出会いました。


・当たり前だと思っている「食の安心・安全」と、美味しい野菜は生産者さんの毎日の努力によって作られていること

・新型コロナウイルスによって食事によって得られる栄養・免疫力の大切さ

さらに、子どもの野菜嫌いなど母親の食に関する悩みは多く、子育てと食のつながりの深さを私たちは自体改めて気づかされました。


女性経営者でもあり、お子さんを育てるママさんでもある3名の方々で、トリニティネットのとても心強いパートナーさんです。


◆岐阜県LFPパートナー 阿部農園 代表 阿部真奈美さん

 阿部農園は恵那市三郷町の中でも高台に位置し、農園からは中央アルプスが見えるような景色の良い自然が豊かな場所でいちごとトマト、学校給食向けのねぎを栽培しています。

この地域は水稲がメインで兼業農家が多く、専業農家はあまりいません。また、高齢化も進んでおり、後継者がいる農家も多いのでどう継続していくかが課題となっています。一方で、いちごは10年前までは1件くらいいませんでしたが、20~30代の若手農家が増えており7件にまで増えています。みんな、自分達の生産した農産物をどうやって売るかまで工夫をしながら農業しているので刺激をもらっています。

 私には5人の子供がおりますが、私自身は元々農家ではなく主人は会社員をしています。農業は家業と考えている人が多いのですが、私達は共働きという感覚でやっています。阿部農園は現在、母と私と社員1名、パート7名でやっていますが、子供が小さい頃はハウスの中にベビーベッドを置いて子供を見ながら農作業をしていました。従業員も子育て世代の方もいるのである程度の時間の融通ができるようにしています。

私の一番下の子がダウン症であり、しゃべったり、意思疎通がうまくできないので、目を話すことができなかったので、農業でなかったら仕事を持てなかったと感じています。

 また、その子が支援学校に入学した際、学校側から説明を受ける中で子供の将来に初めて不安に感じました。そして、それは周囲の親も同じでした。だからこそ、農業と福祉を組み合わせた農福連携に取り組むことで、自分の子供含めて阿部農園が障害を持つ人達の働き口になれれば良いなと思い、生産規模を拡大する方向に舵を切りました。現在はいちご24a、トマト16a、ねぎが10aですが、今後はトマトの生産規模を拡大していくことで1年通して農作業ができ雇用を維持できる体制を構築していきたいと思ってます。

 

◆岐阜県LFPパートナー 石川農園 代表 石川右木子

私達は恵那市上矢作町という岐阜県と愛知県と長野県の県境でトマトといちごを中心に農産物(ちぢみほうれん草、さつまいも、荏胡麻)を栽培しています。冬は晴れ間が多いのですが凍てつく寒さになる地域で最低気温が-10~15℃になります。

この地域でも私達を含めて専業農家は10戸程度しかなく兼業農家が多いため高齢化も進んでおり、耕作放棄地も増えています。その中で、少しでも地域の農業を盛り上げようと2015年頃からトマト、2021年からいちごの観光農園に取り組んでいます。

私は現在、中学1年生の女の子がいます。娘の学年では同級生が15人しかおらず保育園の時から現在までずっと一緒に育っていますが、下の学年は10人前後とどんどん地域に子供が減っており、さらに今年この地域で生まれた赤ん坊が2人になってしまいとても危機感も感じています。

今、私の農園では社員4名のうち女性が2名、パートで働く女性が10名程度おり、子育て世代の方も多いので、女性達がそれぞれのライフスタイルで働けるように柔軟な雇用形態を心掛けています。

自分で農業をしながら感じていることが、消費者の農業のイメージと実際の生産現場にまだまだ距離があると感じています。今回の岐阜県LFPで消費者でもある子育て世帯と交流することで、本当の意味で「農業」の泥臭さや生き物を育てるという大変さを知ってもらい、かつ「食の大切さ」を伝えていければと思っています。

 

◆ 岐阜県LFPパートナー ㈱寺田農園 代表取締役 寺田真由美

 高山市は岐阜県の中でも冬は雪が積もり、気温も低い地域なので、農地を使った生産が難しい地域となっています。私が栽培しているトマトも4~5月しか生産期間がありません。つまり、冬の期間は他の仕事で収入を立てている農家も多いのが現状です。

 丹生川地区は高山市の中では後継者や新規就農者が多いと言われていますが、それでも生産者の高齢化が進んでいます。

 私の現在、中学2年生の男の子がいます。息子が幼稚園の年長の時に主人がくも膜下出血で亡くなり、以降女手一つで息子を育ててきました。息子が幼い頃は、畑に連れていき農作業をしており、息子は畑をハイハイしていました(笑)

我々、寺田農園は高山市では珍しく株式会社として法人化しています。寺田農園で働く女性たちも子供が熱を出したり、コロナ禍で学校が休校になったりした際はかなり子育てとの両立に苦労しており、寺田農園として雇用形態にもかなり工夫をしています。

 私たちも従来の農業のイメージを変えるべく農業と観光を組み合わせることで「魅せる農業」を目指しています。今回の岐阜県LFPとして一緒に取り組むことで地域の生産者を増やすことはもちろんですが、商品開発やデザイン、販売など「農業に関わる仕事」を増やして子育て世代の女性にも仕事を創り出すことによって地域を盛り上げていきければと思っています。

 生産者3人とも子育て世代!その夜は高山市に泊まり4人で食事をしながら、子育て世代のママたちを巻き込んで「食育」をしながら、岐阜県の農業を盛り上げながら未来の担い手も育てていきたいと盛り上がりました。その時の想いが今年度の岐阜県LFPの礎となってします。

こどもトリニティネット

子育て世代と社会のかけ橋に。あらゆるパートナーシップを通じて社会にイノベーションを起こし、岐阜から日本を元気にします。

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